
大学院は、〈美美コース+〉*です。
コースからスムーズなつながりがありますが、同じことをまた続けるわけではありません。
学部での学びを基礎に、もう一歩ステップアップして社会に出ることをめざします。
*組織名称ではありません。学修内容の形容です。
大学院とは
‣大学院は、博士前期課程(修士課程、2年間)と、その後の博士後期課程(博士課程、3年間)に分かれています。修士課程を修了した段階で就職するのもごく一般的で、この場合も中退ではなく修了(学部の卒業にあたります)となります。学部から修士課程に進学する際、また修士課程修了後に博士課程に進学する際には、それぞれ入学試験があります。
‣修士課程では修士号(Master)、博士課程では博士号(Doctor)を取得できます。
‣公務員や教員の場合、修士号、博士号を持つことで学部卒(学士号)とは待遇がことなります。一般企業等でも、これに倣う場合が少なくありません。
大学院の学びとは
‣大学院では、美術史という専門に集中して学び、研究成果をあげることを目指します。そのため学部と異なり、履修する科目数は抑えられており、必修の外国語や一般教養等はありません。修士課程の場合、週に4科目程度履修することになります。もちろん、興味に応じてフランス語・フランス文学の科目や他専攻の科目を履修することもできます。
‣中央大学大学院文学研究科仏文学専攻では、美美コースの専任教員が大学院科目と研究指導を受け持っており、美術史を専門として学ぶことができます。指導にあたっては、受講生の研究テーマに合わせて授業内容を決めます。
‣授業の形式は、セミナー形式です。一方的な講義形式の授業は、基本的にありません。授業は通常、学生1〜3名程度で開講され、書物や資料を元に教員とともに考え、研究を進めるのが大学院の学びのスタイルです。この過程で専門的な考え方、掘り下げ方、調べ方、伝え方、まとめ方を実践的に学びます。受け身に学ぶのではなく、主体的・能動的に掘り下げる姿勢の涵養も目標です。
‣授業のほか、ひとりひとりの研究指導を行い、学位論文(修士論文、博士論文)の執筆をめざします。研究テーマは、教員の専門分野であるフランスを中心とする西洋近代美術史からテーマを選びますが、「フランス美術と日本との関わり」といった横断的なテーマを設定することもできます。
‣大学院間の協定により、学習院大学大学院美術史学専攻で開設している美術史関係科目を履修して、単位を習得することができます。
学芸員資格と美術館インターンシップ
‣大学院では修得単位数が少ないため、並行して学芸員資格課程の授業を受講することができます。学部の授業ですので、履修にあたっては別途費用が必要です。文学研究科に入学した場合の履修料は、1単位あたり5千円です。実際に大学院で学芸員資格を取得し、専門職に就いた例が複数あります。
‣文学研究科で単位認定にふさわしいと判断された大学院生向けインターンシップ・プログラムを学外の美術館で受講することで、修士課程または博士課程の修了必要単位の一部(2単位)を修得することができます。学芸員職への実践的なトレーニングを積むことができます。
‣インターンとしての採否は、美術館が決定します。必ず採用されるわけではありませんのでご留意ください。
入試
‣大学院への入学試験は、秋季(修士課程のみ)と春季(修士課程・博士課程)に行われています。
‣大学院入学試験の外国語科目(フランス語)、専門科目(「フランス文学史・フランス美術史」)においては、美術史関連の問題を選択することが可能です。フランス文学についての詳しい知識は必要ありません。フランス語に関しても、美術史分野から出題します。
‣中央大学文学部からの進学のための特別選考制度(筆答試験は免除)もあります。
‣中央大学では毎年初夏と秋に、大学院進学相談会を開催しています。
‣入試について詳しくは、こちらをどうぞ。
「文系研究科入試広報サイト」もご覧ください。
在学生
‣現在、美術史を専門とする在学生は、修士課程5名です。
‣2022年度入学生(修士課程)齊藤唯衣さんの紹介記事がこちらにあります。ぜひご覧ください。
進路(修了生紹介)
‣大学院修了後の専門分野への就職先は、以下の通りです。このほか、一般企業にも多く就職しています。
‣宇都宮美術館学芸員(任期付)→ 多摩美術大学美術館学芸員(常勤)|以下に詳しい紹介記事があります。ぜひご覧ください。
【究める vol.73】活躍する修了生 渡辺眞弓さん(大学院文学研究科のサイト)
‣(株)キュレイターズ〔展覧会企画・運営・美術館コンサルティングなど〕|卒業生紹介のページに詳しい記事があります。