学芸員(キュレーター)は、博物館法で博物館・美術館に配置するよう定められた専門職員です。
研究職と教育職を兼ねた立場で、文化と人の仲立ちをします。

学芸員とは

‣学芸員(キュレーター)は、博物館法で博物館・美術館に配置するよう定められた専門職員です。研究職と教育職を兼ねた立場で、文化と人の仲立ちをします。
‣美術館学芸員(キュレーター)の仕事は、作品の収集、展示、保存、調査研究から、企画展の開催、カタログ執筆、教育普及活動(教材開発、イベント開催)に至るまで多岐にわたります。作品ばかりでなく、常に人や社会と関わる活動的な仕事と言えます。特に近年では、美術の楽しさを伝える教育普及企画に注目が集まっています。単なる解説を超えた、もっと積極的で面白いプログラムが生まれています。
‣大規模な美術館では、数十万人の来館者を相手にするビッグ・プロジェクトに関わることができます。一方、地域に根ざした中小規模館では、美術を仲立ちにした温かく息の長いコミュニティ作りに参画することもできます。どちらも、コースでの学びを生かしたやりがいのある仕事と言えるでしょう。

学芸員資格とは

‣学芸員資格とは、学芸員として採用されるために必要な国家資格です。
‣学芸員資格を取得するには、大学の学芸員資格課程で所定の単位を修得する必要があります。修得すれば、国家試験等を受験する必要はありません。資格は無期限に有効です。
‣中央大学文学部では、学芸員資格課程を開設しています。毎年30人程度が課程を修了しています。
‣希望者の多い国公立の美術館に学芸員として採用されるには、大学院で引き続き学ぶことが有利です。

学芸員資格課程の科目は、ユニークで実践的です。
平塚市美術館にて
右:講師の先生 左:実習生

‣学芸員資格課程の必修科目は、8種の講義科目とひとつの実習科目(博物館実習)に分けられます。この9科目は、全校の大学で共通です。
‣博物館の運営や資料保存、展示、博物館教育など、美術館の運営について専門的に学びます。ほとんどの講師は美術館・博物館の学芸員またはその経験者です。
‣博物館実習では、まず前期に学内で予備的に学んでから、夏休みを中心に実際の美術館・博物館で「館園実習」を受講します。館園実習では、現役の学芸員から現場で実践的に学びます。内容は、作品展示体験から来館者対応まで多岐にわたります。平均して4日間の実習ですが、多くの受講生にとって思い出になる、学芸員資格課程ならではの授業です。
‣このように学芸員資格課程の授業は、総合大学の通常のカリキュラムにはない特色と、実践的な内容を持っています。

学芸員資格課程で学ぶキュレーションの技法や展示についての知識・感性は、一般社会でも生かすことができます。

‣学芸員資格を目指して学ぶことで、美術史や美術館の知識を広く社会に生かす可能性が開けます。また美術史や美術館について専門的な知見をもつことを、資格によって証明することができます。
‣美術館や展覧会に関わる職種は、学芸員以外に展示デザイン、広報、損害保険、美術品専門の運輸など幅広く存在します。これらの職について美術館や展覧会に関わるには、学芸員資格を持つことが大きな武器になると考えられます。
‣また一般に旅行・観光や建築・デザイン、広告やメディア、文化財団や公共施設などで美術(アート)の歴史に関する知識が評価されますが、そうした知識の証明書として学芸員資格を位置づけることもできます。

美術史美術館コースでは、学芸員資格の取得を推奨・支援しています。

‣美術史美術館コースでは、カリキュラム中に学芸員課程の科目を一部含んでいます。つまりコース生は別途資格のために履修しなければならない科目が他の受講生より少なく、資格取得の負担が軽減されています。
‣またコース必修科目の中には、現代の美術館が置かれた状況を、現役の美術館学芸員から実践的に学ぶ科目(「美術史美術館演習」)も設置されています。資格の学びとコースの学びがリンクしています。
‣「博物館実習」では、美術館の現場で実作品に触れ、美術と社会の接点を経験することで、ふだんの学びを肉づけすることができます。
‣美美コース生の主な館園実習先:東京都写真美術館、世田谷美術館、練馬区立美術館、府中市美術館、多摩美術大学美術館、東京富士美術館、神奈川県立近代美術館、横須賀美術館、茅ヶ崎市美術館、平塚市美術館、ベルナール・ビュフェ美術館(静岡県)など。
‣なお大学院に進学すると、国立西洋美術館でインターンシップを受講して単位を修得することもできます。詳しくは大学院のページへ。
‣学芸員資格課程は必修ではなく、希望者のみの履修です。課程を履修しなくても、美美コースで卒業することにまったく支障はありません。教職課程など、他の資格課程を受講することも可能です。

多摩美術大学美術館にて