写真を通じてよく知っていたはずの作品にじかに出会って、存在感のあまりの違いに驚いたことはありませんか。
美術史を学ぶことで、その驚きが深い発見に変わります。
美術史を学ぶとは、世界に1点しかない作品を相手にすることです。
海外で実作に心ゆくまで触れることで、美美コースでの学修と研究はさらに深まります。
それは日本では得られない出会いに満ちた、充実した体験となるでしょう。
1年次から学んだフランス語を生かす機会にもなります。
美美コースおよび大学院からは、西洋美術史を学べるヨーロッパ・アメリカの大学への扉が開かれています。
長期留学のほか、多くの有力な大学・研究機関が開設している短期の夏季集中プログラムを受講するという選択もあります。
以下はフランス語、英語で西洋美術史の研究ができる主な大学・研究機関へのリンクです。
留学と夏季プログラム(サマーコース)
留学 ‣学部での留学は、半期、あるいは1年を単位に考えるのが通常です。3年次後期、または3年次後期から4年次前期にかけて留学するのが一般的です。この場合、留学先で習得した単位を中央大学での履修単位として換算する制度があり、4年次での卒業が可能になります。ただし単位換算には、授業時間数や内容など一定の条件があります。 また大学院進学後に留学して、より本格的な研究を現地で行うことで、専門職(研究職)への進路が見えてきます。 ‣フランス語圏の大学に留学する場合、文学部独自の奨学金を受けることができます(選考があります)。 ‣美術史をテーマに留学する場合、行き先はフランスに限られません。ヨーロッパ各国、そしてアメリカ合衆国の多くの大学で、高度な美術史研究を背景に充実した教育が行われています。詳しくは、下記のリンクをご覧ください。 ‣美美コースで学び、自分の研究テーマが見えてきた人には、これらの大学に留学して腰を据えて学ぶことがおすすめです。 |
サマーコース ‣ヨーロッパ、アメリカの多くの大学では、夏季(5〜9月)に1〜2週間程度のプログラム(Summer Course、Summer School、Summer Universityなど呼称はさまざまです)を開いています。多くは入試のない講座ですが、内容は語学研修ではない専門的なものが多数開講されています。もちろん美術史のプログラムもあり、専門家とともに現地の大美術館や文化遺産を見学するコースもあります。 ‣2年次から美美コースで美術史を学んでおけば、コロンビア大学やオックスフォード大学、ロンドン大学、ソルボンヌ大学、ニューヨーク大学など一流大学の美術史プログラムに参加して、内容を理解することができます。留学より気軽に参加できますが、その収穫はけっして小さくはないでしょう。イエール大学(Summer Session)のように、一部をオンラインで開講しているところもあります。 ‣夏季休暇中に参加すれば、中央大学の学びや就職活動等に支障はありません。 ‣サマーコースを探すには、例えばこのような専用のサイトがいくつもあります。Summer Courses、Summer School等とArt Historyを組み合わせて検索することで、あなたに合ったプログラムを見つけることができるでしょう。下記のコース生体験談もご覧ください。 |
パリでサマーコースに参加して|富田有香(美美コース3期生)
7月に開講されたPCA(Paris College of Art)のサマーコースに参加しました。このプログラムはクラスの年齢層が幅広く、7カ国から生徒が集まっていました。帰国後も連絡を取り合う友達ができたのは本当に良かったと思います。担当の先生が気さくな方でクラスの雰囲気も良かったです。
一番良かった点は、午前中にクラスで講義を受けてその後に美術館に行ってアウトプットができたことです。授業後にクラスメイトとそのままパリの街を散策したことも楽しかったです。
授業では中世から現代アートまでかなり詳しく触れており、とても勉強になりました。美術館見学の際にも、大学の講義で扱った有名な作品を実際に目にすることができて、理解が深まりました。9日目には作品分析のプレゼン課題があったのですが、クラスメイトの発表の仕方や着眼点が刺激的でした。私はカラヴァッジョの作品《メデューサ》について発表しました。授業料も他のサマースクールよりも安めで中大の奨学金で賄えるので、他のゼミ生にもぜひお勧めしたいです。
困ったことをひとつあげるとしたら、食費がかかることです。毎回昼食は外食だったのですが、パリのレストランはどこも高めだったので、夕食は自炊していました。寮にキッチンがあったことは良かった点かなと思います。
また、これは困った点ではないですが、私以外のクラスメイトは英語がネイティブ並の人ばかりだったので会話についていくことが少し大変でした。ですが、大学で美術史の基礎をすでに学んでいたのでそれがかなり理解の助けになり、授業内容がわからないということは全くなかったです。
パリ・カレッジ・オブ・アート サマープログラム2022|Paris Through its Museums & Artistic Sites
海外の主な大学/研究機関 ★=中央大学留学協定校
フランス
‣パリ大学:パリ大学はかつて第1大学〜第13大学に分かれており、校地等に基づく呼称を付記して校名がつけられてきました。しかし現在では多くが改組され、名称にも不統一が見られます。パリ大学とパリ近郊の大学の一覧については、こちらをご覧ください。 |
‣パリ第1大学パンテオン=ソルボンヌ 美術史・考古学専攻/ École d'histoire de l’art et archéologie (UFR03) |
修士課程/Master | 博士課程/Doctorat |
HiCSA - 芸術文化・社会史専攻 |
‣ソルボンヌ大学(旧パリ第4大学) 美術・考古学専攻/Licence Histoire de l'art et Archéologie |
修士課程(美術史:創造・伝播・文化遺産)/Master Archéologie et histoire de l'art: histoire de l'art - création, diffusion, patrimoine |
修士課程(美術史:法制)/Master Archéologie et histoire de l'art: histoire de l'art - droit |
修士課程(美術史:現代美術とその展示)/Master Archéologie et histoire de l'art: histoire de l'art - l'art contemporain et son exposition |
修士課程(美術史:文化財学芸員準備)Master Archéologie et histoire de l'art: histoire de l'art - préparation aux concours des coservateurs du patrimoine |
博士課程/Ecole Doctorale 124: histoire de l'art & archéologie |
‣パリ大学アンドレ・シャステル・センター(美術史研究ラボ)/Centre André Chastel |
‣社会科学高等研究院 芸術・言語専門分野/Ecole des hautes études en sciences sociales, Enseignements de la spécialité «Arts et langage» |
‣高等研究実習院美術史専攻/Ecole pratique des hautes études, Histoire de l'art, histoire des représentations et archéologie (Histara) |
‣パリ高等師範学校芸術学科/Ecole normale supérieure de Paris, Département arts |
‣国立美術学校/Ecole nationale supérieure des beaux-arts de Paris |
‣パリ・ナンテール大学(旧パリ第10大学) 美術史・考古学科/Département d'histoire de l’art et d'archéologie ★ |
‣ストラスブール大学歴史学部美術史研究所/Institut d’histoire de l’art ★ |
‣エクス=マルセイユ大学美術史・考古学科/Département d’histoire de l’art et d’archéologie ★(短期語学留学プログラム) |
‣モンペリエ・ポール・ヴァレリー大学人文科学・環境科学部美術史・考古学専攻/Département Histoire de l'art, Archéologie |
‣トゥールーズ大学美術史・考古学科/Département histoire de l’art et archéologie ★ |
‣リヨン大学2 美術史専攻/Licence 3 Histoire de l'art et archéologie - Histoire de l'art/Master 1 Histoire de l'art / arts et cultures visuelles/Master 2 Histoire de l'art / arts et cultures visuelles ★ |
‣ボルドー・モンテーニュ大学美術史・考古学科/Département histoire de l’art et archéologie |
‣ポワティエ大学美術史・考古学科/Département Histoire de l’art et archéologie |
‣レンヌ大学2 美術史・考古学科/Département d’histoire de l’art et archéologie |
‣レンヌ大学2 芸術史・芸術批評専攻/Histoire et critique des arts |
‣ナント大学美術史・考古学科/Département histoire de l'art et archéologie |
‣ブルターニュ・オクシダンタル大学美術史考古学専攻/Licence mention Histoire de l'art et Archéologie |
‣ロレーヌ大学美術史・考古学専攻/Histoire de l'art et archéologie |
‣ブルゴーニュ大学美術史・考古学専攻/Histoire de l'art et archéologie |
‣クレルモン・オーヴェルニュ大学美術史考古学専攻/Licence Histoire de l'art et Archéologie |
‣グルノーブル・アルプ大学美術史・考古学専攻修士課程/Licence Histoire de l'art et archéologie |
‣トゥール大学芸術史学科/Département d'histoire des arts |
‣ルーヴル学院/Ecole du Louvre |
‣コレージュ・ド・フランス/Collège de France... すべての講義を一般公開している、伝統ある高等教育研究機関です。学位の授与は行わないのが伝統です。 |
ベルギー
スイス
‣ローザンヌ大学文学部美術史専攻 |
‣フリブール大学文学部美術史・考古学専攻 |
‣ジュネーヴ大学美術史・音楽学専攻★ |
‣ヌーシャテル大学文学・人文科学部美術史・博物館学研究所 |
‣チューリヒ大学芸術学部美術史専攻 |
‣チューリヒ大学美術史研究所 |
‣ベルン大学美術史研究所(ドイツ語サイト) |
スペイン
‣サラマンカ大学美術史専攻 |
‣コンプルテンセ・マドリード大学地理・歴史学部現代美術史・視覚文化専攻 |
‣バルセロナ大学美術史専攻★ |
‣バレンシア大学地理学・歴史学部美術史学科/美術史・視覚文化専攻修士課程 |
‣グラナダ大学美術史専攻 |
‣サンチャゴ・デ・コンポステラ大学美術史学科/芸術及び建築遺産・博物館・アートビジネス(修士)/歴史・地理・美術史(博士)★ |
ポルトガル
‣コインブラ大学芸術・人文学部歴史・考古学・芸術学科美術史専攻/同修士課程(美術・文化財専攻)/同博士課程(美術史専攻) |
‣コインブラ大学美術史研究所 [ポルトガル語] |
‣リスボン大学芸術・人文学部美術史研究所/同芸術・人文学部美術史専攻/同美術批評・理論・学芸員専攻(修士課程) |
‣ポルト大学文学部美術・文化遺産・視覚文化史専攻 |
チェコ
オーストリア
デンマーク
スウェーデン
ノルウェー
フィンランド
イギリス
アイルランド
‣ダブリン大学トリニティ・カレッジ歴史・人文学部美術史・建築学科 |
‣ユニヴァーシティ・カレッジ・ダブリン(アイルランド国立大学)美術史・文化政策学部 |
‣ユニヴァーシティ・カレッジ・コーク美術史専攻 |
‣アーツ・マネジメント・アイルランド |
カナダ
‣モンレアル大学美術史・映画研究学科 |
‣ケベック大学美術史学科 |
‣トロント大学大学院芸術学科 |
‣オタワ大学芸術学部視覚芸術学科美術史・美術理論プログラム |
‣ブリティッシュ・コロンビア大学美術史・視覚芸術・理論学科 |
‣ヴィクトリア大学美術学部美術史・視覚文化研究学科 |
‣マギル大学美術史・コミュニケーション研究学科 |
‣クイーンズ大学美術史・修復学科 |
‣ウィニペグ大学美術史専攻★ |
‣カールトン大学美術史・建築史専攻 |
オーストラリア
アメリカ合衆国
台湾
香港
‣中央大学国際連携・留学のページ |
‣海外協定校一覧 |
原則としてフランス語または英語で美術史及び関連する分野の教育(学部ないし大学院の課程)を行なっている機関を掲載していますが、教授言語が不明の機関も含まれています。詳細は当該の機関にお問い合わせください。
機関名は概ね以下のように訳していますが、日本における組織形態とは異なる場合がありえます。目安としてご参照ください。
École, Institut, Institute = 「学院」or「学校」or「研究所」
Faculté, Faculty, School = 「学部」
Département, Department = 「学科」
その他 = 「専攻」
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